ブランデーに浸された木の実やドライフルーツのたくさん詰まったシュトレンの季節。少しずつ切って食べていきクリスマスになる、なんて器用な食べ方、私にはできないので一度にザクッと切って食べてしまいます。まだパンにフルーツの味が浸透していないかな、いやこの部分はおいしくなっている、なんて思いながら食べるシュトレン。今年はいろいろなことがありました。
そもそもは九州の新燃岳が噴火をしたのが1月中旬から。噴煙とその煤塵による被害が報道され、その処理に苦慮していることが報道されていました。そしてその噴火がその後どうなっているのだろう?と思う頃の3月、関東以北に大きな地震がありました。ほとんどの人がこれまで経験したことにないくらいに強く長く感じた揺れ。都会の電車はストップし道路には自動車が溢れ、寒風の中を歩いて帰宅する人たちの群れ、飲食料を買い求める人々のコンビニ前の長い行列。そしてまだ時々、強い揺れがあり暗くなる直前、テレビからは信じられないような光景が流れてきました。津波、逃げる人々、迫る波、破壊されていく家屋、そして街全体が流されていく様。エレベータの完全に停止した高層ビルにいた私にはその光景が信じられませんでした。東京湾をふと見てみるとたくさんの屋形船が出ています。と、レインボーブリッジの向こう側では火災、そして遠く千葉の工業地帯でも燃え盛る炎が見えます。でも見渡す限りそれ以外に大きな被害がある様子はありません。でも同時刻には福島原発に信じられないほどの大きな洪水が押し寄せ、三陸海岸では街が襲われ、千葉のウォータフロントの住宅地は地盤液状化による恐ろしい事態になっていました。強い地震でも建物はなんとか耐えられた、ほっとしていた矢先の出来事。そして都内は人々が大挙して夜を徹して遠い自宅を目指して歩く人たち。茫然自失、何もできない、考えられない、そういう状態が怖くて何かに没頭したいという気持ちがそうさせてしまったのでしょうか。都会の機能は自滅していくのでした。ただ唯一の救いは東京電力が電気を絶やすことなく供給してくれていたことです。もしあのとき停電していたら、高層ビルに避難していた多くのサラリーマンも慌てて何か回避行動をしたに違いありません。そしてその後の原発の爆発による放射性物質の拡散。関東以北の人々はどれくらいの被爆をしたのでしょう。そして今後、被爆していくことになるのでしょう。
そして震災の対処に疲れてきた頃の9月の始め、今度は紀伊地方にとてつもない大雨。和歌山県の新宮市では午前4時の1時間雨量が130ミリを超えていました。丁度、その頃に新宮市からすぐ近くの三重県は鵜殿に住む妹から電話がかかってきました。逃げた方がいいだろうか?というものでした。道路は冠水しているかどうか、していたら逃げずに2階にみんなで居たほうがいいと伝える声も聴こえないほどに雨音が爆音のように電話から聴こえてきていました。その電話をしている間のほんの数分で道はすっかり冠水してしまったのだそうです。本当にあっという間の出来事に妹夫婦は驚き怖くなり2階に避難していたそうです。幸いにも少し高台にあったためか被害はなかったそうです。周囲には床上浸水の家々、浸水して動かなくなった自動車、土砂で流されてしまった集落、通行できなくなった道路という様に衝撃を受けたそうです。
その洪水の記憶をやっと克服しようとしていた頃、11月に今度はタイのバンコクの日系企業の工業団地に洪水がありました。7月にはるか上流で記録的な豪雨があったことでその雨水が下流へと流れてきた結果だそうです。ゆっくりとやってくる水、そして工場の資産を水が襲いました。その影響は日本にゆっくりと襲ってきています。タイでなければできない部品がたくさんあったことで自動車業界のみならず電機業界も減産を余儀なくされたのです。
天災だけでなく、政治的にはチュニジアのジャスミン革命を発端として、民衆の暴動によりエジプトやリビアも長期政権が崩壊し、その流れはまだまだ影響を及ぼしています。
また経済的にはギリシアの経済危機だけでなく、スペインもイタリアも危機的状況にあることでユーロは崩壊的な危機に直面しています。一方、アメリカ経済もグローバル経済化に伴い貧富の格差が顕著になってきました。それまでの中流層が気づいたら貧者になっていた、そうして身動きできなくなった高度の教育を受けた人たちが自分たちは99%の貧者で、1%の富者の冨をさらに増加させていることに気づいたのです。アメリカの絶望した若き中流階級の人たちは社会的に改めるべきだと声を大にしてI-PHONEでFACEBOOKを駆使して呼びかけはじめたのです。
高度情報社会となり、世界中がネットワークで接続された結果として、金融が拡大して未来のお金をどんどん現在に取り込んでしまい、それが少しでも狂うと未来のお金に依存しなKてはならない人々の経済が破綻。それが中流階級の人々でネットワークを駆使して社会運動を起こしている。ギリシアもスペインもイタリアもだいたい似たようなものなのではないでしょうか。国家的な中流階級がふと気づくと貧者になっていた、、、。そして日本ではかってないほどの円高。もうどうなってしまうのでしょう。
2011年は本当に様々な事象が、天災、人災、政治的にも経済的にも、たくさん起きました。まさに兎がぴょんぴょんと跳ねていくかのようにぴょんぴょんと起こったような気がします。そして先日の皆既月食。ほぼ真上の月が赤くなり再びもとに戻る様は良く見えました。なんだか兎年の締めくくりのようなイベント。
シュトレンを食べながらそんなことを思ったのでした。
